血濡れた情報屋
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「良いじゃない、ちょっとくらい」
「…駄目だよ」
さっきから駄目の一点張り。
こっちの意見なんて聞いてもくれないんだから。
「君が逃げるかどうかじゃないよ、自分の立場わかってるの」
「わかってるつもり、だから家事はするって言ってるんじゃない」
保護してもらって、ツナと雲雀さんが勝手に決めたとは言え居候の身。
だからこそできる事はやりたいんだ。
「とにかく君の外出は許可できないよ」
「……雲雀さんの頭でっかち」
まだ私の居場所は見つかっていない。
見つかるのは時間の問題だろうけど、まだ外を出歩いても平気なのに。
「なんとでも言いなよ」
朝食をペロリと綺麗に食べ、ごちそうさま、と手を合わせると彼は立ち上がった。
「…綱吉に呼ばれてるんだ、おかしな事言ってないで早く準備しなよ」
「ちょっと、」
待って、その言葉を発する前に襖を閉められてしまった。
全く、彼は少し強引だ。
「…ごちそうさまでした」
誰のいなくなった広いこの部屋に私の声が淋しく響いた。