V

□3章 脱出



「いやー!危なかったー!
お師匠様!アンチさん!
助けてくれてありがとうございました!」


…デュエルモンスター界を襲った、光の襲撃から逃げる途中。
ブラックマジシャンたちは見事、何者かに精神を乗っ取られたガールを助けた。

3人となった魔術師は、今度こそ、現実世界へ向かう。


「…で。
現実世界に行くっつっても、
どーすりゃいいんだ?」


歩きながらアンチがつぶやくと、ブラックマジシャンが答える。


「ブラックカオス様は、この世界と現実世界を繋ぐゲートを用意したとおっしゃっていた」

「じゃあ、ひとまずそこへ向かえば、いいわけか」

「ああ。ブラックカオス様の魔力をたどれば、いずれゲートに行きつく」

「にしても現実世界に繋ぐゲートとか…相変わらず訳分からん大魔術持ってるよな、あの人ァ…」


…ふたりの黒魔導士が真剣な表情で話す。
その間を歩きながら、ガールはニコニコとご機嫌だった。


「やー、にしても、こうやって3人で歩いてると、修行時代思い出しますねー!」

「……オレは、思い出したくねぇよ、チビッ子。あの頃の記憶はろくなもんがねぇ」

「…その前にガール。お前はもっと緊張感を持ちなさい。
今は世界の危機なのだぞ」

「はい!気合い入れます!
あ、そうだ。アンチさん!
お師匠様に慣れ慣れしくするあなたを、常に消しちゃいたいな★って思ってますけど、今は休戦です!
世界を救うまでは消さずにいてあげますから、協力しましょうね!」

「怖ェッ!!
今の発言で、逆にオマエを信じられなくなったわ、チビッ子!!
……あウソですごめんなさい杖こっちに向けないで」

「…だから緊張感を持て、お前達」


…呆れつつも、ブラックマジシャンは心の中で少しだけ安堵する。
同行者にガールが加わったおかげで、なんとなく雰囲気が明るい。

さっきまでの、ピリピリした空気はなくなっていた。

心の中だけで感謝しつつ、ブラックマジシャンは現実世界へのゲートを探す。
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