V

□2章 救出



……突如、謎の光に浸食された、デュエルモンスターの世界。

ブラックマジシャンと、アンチブラックマジシャンは、
現実世界へ脱出するため、ガールを探していた。


「しかし……一体なんなのだ、あの光は。
お前は、カオス様になにか聞いたか?」


ガールの気配を探りながら、ブラックマジシャンは兄弟弟子に尋ねる。

すると、アンチは首を横に振った

「いや、なんも。
なんか変な気配すんなーと思ったら、急にカオスが来てよ。
『説明はあとだ。一緒に来い』って引っ張られたんだ。

で、意味わかんねーから逃げようとしたら、

『言うこと聞かんと、
お前の修行時代のあられもないエピソード、
あることないこと織り交ぜて、モンスター界に全国放送するぞ』

って、ますます意味わかんねー脅しされてよ」

「……どんな状況でも、
あの方の性格だけは変わらんな」

「まーなー。

……ま、そのあと、マジでヤバイ状況になってるっぽかったから、
大人しくついてきたんだけどよ」


不真面目なアンチでさえ、この状況下では、
さすがに緊張感を持ってるらしい。

非常に珍しい光景だが…感心してるヒマはない。


とにかく、現実世界に行くため、
あの弟子を探しださねば――。


(まったく……相変わらず、世話のやける弟子だ)






――そして、ガールの気配を探って進むこと数分。

やっと、その姿を見つけた。


「…!おっ」

「ガール!」


魔力の球体のようなものの中に、ふわふわと浮いている。

おそらくこの球体は、カオスの魔術だ。
しっかり、ガールを守ってくれていたらしい。

アンチがそれに触れると、球体は破裂し、
ガールの身体が静かに床に寝かせられた。


「さーて。
ちっと寂しいが、モンスターの生き残りはこれで全部だな。

おーい、チビッ子。起きろー」


――と、その時。




ゾクッ……!!!




(……っ!?)
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