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□パンドラ編B
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奇術師の場には、キラード−ルとブラックマジシャンの二体がいる。

二体とも平静を装っているように見えた。

が、しかし、遊戯のブラックマジシャンには聞こえていた。

彼らの悲しみと、そして、怒りが。


(パパ、パンドラ様!?い、いやだよぉ……ボクを捨てないで!お願い!信じてたのに……!
どうしてどうして!!?)


キラード−ルは、子供のように泣き叫んでいた。

一方、ブラックマジシャンはというと。

ただ静かに、主の仮面を睨んでいる。
しかし、その瞳には絶望があった。


(…パ、パンドラ様……)


キラード−ルとブラックマジシャンは、心のそこから嘆いていた。

が、勝利を目前にしたパンドラには、もう何も聞こえない。

そしてついに、宣言は下された。


「このタ−ンで、キラード−ルとブラックマジシャンを、エクトプラズマ−に変換します!」

(ヒッ…!)

(……!!)


「エクトプラズマ−」の効果により、キラード−ルの身体から、魂が抽出された。


(パンドラ様ぁ……)


キラード−ルの最後の叫びも、虚しく砕けた。


「クックック……砲撃!」


パンドラが腕を振り下ろす。

砲弾と化したキラード−ルの魂が、遊戯に激突した。


「うわあああ!!」

(マスター!!)

「ぐっ……」
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