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□あははははん
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『あははははん』
「…これは、珍しい客人だな」
ブラックマジシャンは、わずかに目を細めた。
彼の視線の先には、モンスターが二体。
どちらも、遊戯のデッキに組み込まれていない。
「あら、ブラックマジシャン!」
「……黒魔導師様」
二体のモンスターが同時に振り返る。
エンシェントエルフと、
ファイアーソ−サラ−だ。
「久しぶり!あいかわらず綺麗な顔してるわね!
ほら、ソ−サラ−、ごあいさつ」
「……こんにちはです」
律儀に頭を下げる二人に、ブラックマジシャンは優しく微笑んだ。
「久しいな。
我が弟子の所へ遊びにきたのか?」
尋ねると、エンシェントエルフはものすごい勢いで首を左右に振った。
「違います違います!!私達、ガ−ルちゃんの所になんて行ってないよ!」
「……?」
「ましてや、ガ−ルちゃんが持っている宝物を
少しだけお借りしようなんて、全然これっぽっちも思ってないよ!?」
「…………」
エンシェントエルフを見つめるブラックマジシャンの目が冷たくなってゆく。
それに比例して、エンシェントエルフの顔も青ざめていった。