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□剣士の事情
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『剣士の事情』
「なっとくいか−−ん!!!!」
エルフの剣士のバカでかい声が響いた。
ちょうど近くで瞑想していたブラックマジシャンがうるさそうに目を開ける。
「…やかましいぞ、エルフの剣士。
前触れもなく、何を壊れている」
「ぬ!出たな!ブラックマジシャン!」
剣士はキッと、黒き魔術師を睨みつけた。
睨まれるようなことをした覚えがないブラックマジシャンは、小さく首をかしげる。
「なぜ私を睨むのだ?」
「納得いかないからだ!!」
「? なにがだ」
「なぜ俺よりお前の方が見せ場が多いのだ!!?」
「…………なに?」
ますます首をかしげるブラックマジシャンに、エルフの剣士は詰め寄る。