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□三つ編みの願望
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『三つ編みの願望』
「い、いきますよ、お師匠様」
「……ああ」
「……ブラックマジック!!」
ブラックマジシャンガ−ルが、杖を振り下ろす。
次元が歪み、黒い渦が大気にあらわれた。
が、漆黒の波動は形を成す前に、粉々に砕け散ってしまう。
「あ、あれ?」
「……ガ−ル」
「ご、ごめんなさい〜!」
弟子の修業を見ていたブラックマジシャンは、呆れたように嘆息を吐く。
「……これで27回連続失敗してるぞ」
「あ、あはは……」
「あはは、じゃない!
ガ−ル!お前、また練習をサボっていたな!!」
「ひゃあ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ!!」
師匠の叱責から逃れるように、ガ−ルはその場にしゃがみこんだ。
まるで、主にイタズラを叱られた子犬である。
「あいかわらず仲がいいな。
ブラックマジシャンに…ブラックマジシャンガ−ルよ」
と、そこへ声がかかった。
黒魔術の師匠とその弟子は同時に振り返る。
「「…………?」」
突然あらわれた第三者を見て、二人は首をかしげた。
「え?……あの、ダレ、ですか?」