+DYD+

□お団子日和。お昼寝日和。
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『「今日はいいダンゴ日和だな。」
「今日はいい昼寝日和だな。」』
窓の外を眺めている二人の声が華麗にハモった。
「おいおい、お前のダンゴはいつもじゃねーか。」
「だから、今日もいいダンゴ日和なのではないか!」
「あー、はいはい。でも分かるなー。こんな日は任務なんて忘れてゴロゴロしてたいよなー。」
窓辺で姿勢悪くだらりと座ってそんなことを言う。
「それこそいつも通りじゃないのか?
  ま、まさか、そうして昼の間に体力を蓄え夜外で誰かを襲う気だな!?
この変態色情狂ーーーーー!!!」
「なんでそうなんだよっっ!ちがうから、うん、ちがうから!」
痩せ型長身、に見えないほど背中を丸めたやる気の無い様子でライナは否定する。
「うむ。というわけで、今日はダンゴ日和なのだ。」
「どんなわけだよ。てか、俺は昼寝日和だぞ?寝てるからな?」
「まぁ、それもたまにはいいだろう。この天気じゃ働く気もしないしな。」
フェリスにまでが昼寝に賛成するほどの暖かい晴天なのだろうか・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・
「だよなー。この大雨暴風状態だもんなー。」
真逆だったらしく、外では雷の音までが響いている。
「うむ、だから、ダンゴを買いに行こう。」
「はぁ?」
「昼寝はその後だ、その後ならいくらでも寝ていろ。」
「え?だから、この豪雨のなかを・・?」
「だからそういっているだろう。」
さすがにこんな雨の中やっている店もないだろう、
そう言おうとしたときだった。
「窓の外をもう一度見てみろ。」
そこには、この大雨の中で開店しているだんご屋があった。
めったに来ないであろう客を待つ店主が恨めしそうな顔で空を見上げているのだ。
「つまり今日の分の団子は作ってしまったということだ。」
「・・うん。」
「和菓子は日持ちしない、つまり今日売れなければ赤字は確実だ。」
「・・・・うん。」
「さらにあの店主は昨日新商品を開発したとうれしそうに言っていた。」
「・・・・・・・うん。」
「それの評判を聞かずに店は閉められないだろう。」
「・・・・・・・・・・うん。」
「それでも買いに行かないというのかっ???」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁっ!もう、分かった!分かったよ。さっさと行くぞ!」
「うむ!」
そして、暴風雨の中を雷の音を聞きながらダンゴ屋へ向かう。
大丈夫。目の前に店は見えているのだ。
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