茜

□夕暮れがまた茜色に
1ページ/1ページ






「リクオ」


今日もあの神社に向かおうとしたら母さんに話しかけられた。

覚醒したオレに話し掛けてくるとは珍しい。



「なんだい?母さん」

「最近よく出かけているみたいだから。どうせどこかにお世話になってるんでしょ?これ、余り物だけど渡してくれる?」


そう言っておはぎの詰まった重箱を渡してきた。


「お礼にって。お世話になっている人によろしくね」



母さんはまだ家事が残っているのか、台所に戻っていた。




重箱を見ながら苦笑する。










(なんで世話になってるってわかるかな…)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ