†Una memoria†

□*Improvvisamente*
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 街はいつも通りの日常を演じている。

 一瞬先は永遠と思わず信じていた。

 先なんて誰にもわからないのに…

 きっと神様にもわからない。


【Improvvisamente〜突然〜】


 パレルモの街は彼らの気持ちそのままを表すように晴れ渡っていた。風にそよぐ街路樹のざわめきがハミングに聞こえる。そろそろジョットの学校が終わる時間だった。

 「おっと、時間だ。」

 そういうとネロは手に持っていたカードを投げ捨てた。仲間とポーカーに興じていたのだが、彼にはこの後、大切な予定がある。浮き足立つ足がその大切さを物語っている。そんなネロの姿に冷たい視線を浴びせている男が口を開いた。

 「最近、つきあい悪くねぇか?」

 一瞬当たりに静寂が生まれる。険のある物言いにネロが振り返る。

 「何をしようがオレの勝手だろうが」

 殺気だった雰囲気に別の仲間が仲裁に入る。

 「まぁまぁ。仲間内でケンカはやめようぜ」

 無造作に黒のジャケットを掴み、ネロは椅子を蹴り飛ばして部屋を後にした。

 険悪の雰囲気の中、その場にいた他の者は当事者達と目を合わせないようにしながらも、各々が興じていたゲームへと戻る。
 先程、仲裁に入った男が、未だ虚空を睨んだままカードを握りしめている男になにやら耳打ちをした。

 「なぁに、オレ等のボスはもうすぐここへ帰って来るさ!顔色を変えてな」

 それだけ言うと席を立ち、楽しそうにダーツの矢を弄んだかと思うと、壁に向けて放った。



 放った先には一枚の写真。ネロとジョットが楽しげに笑っている写真。矢はジョットの額を見事に捕らえていた。






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