短編1

□なみだのでるうた
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そらはこんなにあおいのに

くもはこんなにしろいのに

おれはただただ、あかいろで

おれがとおったみちも、あかいろで

どうしてもかわいてくれないそのいろは

どろどろにおれのぜんしんにからみつく

こすればこするほど、さらにおくにくいこんでしまう

おちろ、おちろ、おちろ、おちろ、おちろ、おちろ、おちろ、おちろ、おちろ、、、、、

そんなことをいうしかく、おれにはないのに

それでもそのいろを、おとしたい、と、こころのどこかでおもっている

あぁ、あぁ

なんてせかいはきれいなんだ

なんておれは………

しんぞうがぎゅうっとしめつけられる

いたいほどのせいじゃくのなか

ひとりぽつんととりのこされた

いっそ、さけんでしまえば

いっそ、くるってしまえば

いっそ、こわれてしまえば

すこしはこのいたみもやわらぐのだろうか

だれか、おれの、いきのね、を…









(ぎんとき)









あぁ、おまえのそのひとことだけで

たんじゅんなせかいはふたたびいろをとりもどす

あかいろはあいかわらずおれをむしばむけれど

おまえのいろが、あかいおれをいっぱいにみたすよ

そして、いたみがあふれて

とうめうなぎんいろが、

ほほを、つたった



end.

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