短編1
□言葉の花束
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走れ!走れ!走れ!走れ!
迷っている時間はない。悩んでいる時間はない。
早く、早く!
心が身体を追い越して。
手足が縺れて倒れても。
早く、早く!
あのコのもとへ!あのコのもとへ!
だって今しかないのだから。
だって気づいてしまったから。
四六時中あのコのことばかり頭に浮かんで。
街で偶然出会った日には、嬉しくて嬉しくて。
こんなのまるで、少年みたいだけど。
それでも「幸せ」だって、気づいてしまったから。
そしたらもう、止まらなくなってしまったんだ。
後退りして後悔するくらいなら。
ぶつかって失敗して、笑い飛ばしてやりたい!
無我夢中で、自分の気持ちに素直になってやる。
だから、早く、早く!
手を伸ばして、その腕をとって。
一番の笑顔と一緒に、届けたいんだ。
そしてできればその後は。
君の一番の笑顔が見たい。
end. 〈『選ぶ前に飛べ』〉