短編1

□honey honey honey
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…見てるだけで胸ヤケがする。
よくそんな甘ったりーもん食えるな。生クリームにアイスにチョコソースたっぷり。
いい年した男が食うもんじゃねーだろ。
しかも何だよその顔は。
「この世の天国ー」みたいな顔してんじゃねェぞコラ。
だっておいしいんだもんって。もんとか言うな気色悪ィ。
…たかがパフェごときで。幸せそうな顔してんじゃねェ。ムカツク。
あん?機嫌悪そうに見えんのは生まれつきだ。
眉間を触ってくんな鬱陶しい。
ただでさえ店の中の甘ったりー匂いがキてんだ。
それに、何が悲しくて大の男二人でこんなトコ来なきゃいけねーんだよ。
だいたい俺は今仕事中なんだ。…休憩中だが。
言っとくが、俺は奢んねェからな…って財布持ってきてねーのかよ!!
思いっきり俺にたかる気満々じゃねーか!!ふざけんな!
…チッ仕方ねェ、今回はツケといてやるよ。あ?奢んねーつっただろうが。
そんな顔しても可愛くも何ともねーんだよ。
って、何だそのイチゴは。こっち向けんな。いらねーよそんなチョコがたっぷりかかったイチゴなんか。
疲れた時には甘いものだぁ?誰のせいだと思ってんだ。
だからイチゴを口に押しつけんな!甘ぇんだよ!
あ?はっ!?可愛い…っ!!?
………チクショウ、食っちまったじゃねェか。
情けねェ…口が開いた瞬間に食わされるなんざ…。
チョコが甘ぇ…。…あ。
何でもねェよ。さっさと食いやがれコノヤロー。

(にしし、と笑ったお前の顔を、一瞬可愛いと思った)
(たいがい、俺も、お前に甘いな)



end.

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