短編

□消えない想い
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涼しい風が、一筋吹いた。

久々の故郷の匂いは、すっかり秋の匂いに変わっている。

東京のアパートから片道1時間強。
それほど遠くもないけれど、決して近くもない地元へは、年に数回も帰らなかった。

夏休みの帰省ラッシュとずらして帰省出来るのは学生の特権。
最後の最後でその特権を使えば、それを知らせた親からは毎年使えば良かったのにと文句を言われた。



カサリ、と渇いた枯れ葉を踏む。
通り慣れたこの道の先には、小さな公園がある。

高校から近いということもあってか、高校生時代にはよくこの公園でコンビニで買った食べ物を食べていたものだ。

懐かしさを感じながら、その小さな公園に足を踏み入れる。
落ち葉が足元で風に舞っている。

この公園には、小さな木製のベンチが一脚ある。というより、そのベンチしかここにはない。
ある意味、公園というよりかは広場といった方が正しいのかも知れない。



そんなことを考えながら、ベンチに視線を向ける。

無意識のうちに頬が緩んできた。

歩いていた筈の足が、自然と早くなっていく。



視線の先の、茶色い髪が風に揺れた。



「三橋!」



振り向いたその顔は、あの日と同じようにゆっくりと満面の笑みを浮かべた。




















あとがき



大学生パロということで、阿部たちは大学生4年生という設定で書かせて頂きました!
要望の大学生のリアルな切なさ……書けて…いるでしょうか…?
なんか就活の話とかが無駄にリアルなのは管理人自身がついこの前まで就活生だったからです。
うん。リアルの意味を取り違えてる気がする←


アベミハというより、アベ→ミハな内容になってしまったので、オマケの方でアベミハ要素入れようとしたら三橋最後しか出てこないとか←
もう何がしたいのか自分でもわかりませんorz

ちかげ様!ステキなリクエストを活かしきれず申し訳ありません!
リクエストありがとうございました!
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