〜花形透の憂鬱〜

□レス番号:425-460
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まるでこの世の終わりの如く落ち込んでいる花形に藤真が声をかけた。
「花形、さっきはごめんな」

「ふ、藤真…?」

「お前が赤木より劣ってるなんて本気で思ってないよ。ちょっと、虫の居所が悪かったんだ。
だって…
せっかく朝お前と一緒に練習出来ると思ってたのに…。
他の部員が来るまで2人っきりで練習できるの楽しみにしてるんだぞ。
…なのにお前が来なかったから…(ぽっ)

『ふふふふ藤真!?』

もしかして俺が遅刻したから拗ねてたのか!?
そんなに俺と2人っきりで練習するの楽しみにしてくれてたなんて感激だあ〜!!
うお〜〜!!
なんて可愛いんだ藤真ああああ〜〜〜!!!』

藤真『こいつ落ち込むと長いんだよ、ったく。
でくの坊がしょぼくれてんのがウザいだけだっつうの。
…にしてもちょっとサービスし過ぎたか…?』


花形は必要とされるならどんな形でもよかった。





藤真の真意は露知らず、花形は今日も軽い足取りで購買へ向かう。
もちろん、藤真に命令された通りの焼きそばパンをゲットするためである。
しかし、今日は既に売り切れていて、焼きそばパンゲットならず!

花形「どうしよう…。このままじゃ、藤真に嫌われちゃう…orz」

とぼとぼと、教室へ帰っていくと、藤真が腕組みをしながら花形を待ち受けていた。

藤真「焼きそばパン」そう言って、手を差し出す。
花形「ごめん…間に合わなかったよ。」

藤真「(゚Д゚ )ハァ?てめぇ、どんだけ使えねぇんだよ!このクズ!何のためにあんなリップサービスしたと思ってんだよ!バーカ!」

花形「じゃあ、どうすれば許してくれるんだ?」
藤真「そうだな…お前、かてきょのバイトしてんだよな。」
花形「うん…。」
藤真「もう、コンタクトなんてどうでもいいから、そのバイト代で俺が今から言うもん買って来い。いいな!」
花形「わかったよ!なんでも言ってくれ!」

花形は、バイト代をつぎ込んで、またも藤真のために繁華街へ走った。

花形は、必要とされるならどんな形でもよかった。




花形にとっては自分の都合より藤真の都合のほうが大事だった。
藤真に呼んでもらったり、頼りにしてもらったりするだけで幸せだ。


花形は必要とされるならどんな形でもよかったw



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