毒草の話                    創刊號
これは毒草についての不定期メルマガです。
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Index
ドクウツギ
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★ ドクウツギ [ドクウツギ科ドクウツギ属]
ドクウツギとはどんな植物か?
ドクウツギは毒空木と漢字で書く。この名の通り茎が空洞になっているそうだ。夏の初めにつきはじめる実にコリアミルチンとかツチンといった神経毒を持っている。食べれば一度であの世へ行くことからか,または”イチロベーを殺す”ということなのか,地方によっては,イチロベゴロシとも呼ばれているらしい。

ドクウツギを誤って,果実酒にしてしまった人の話
 昭和56年6月,福島県で飲食業を営んでいたAさんは,3リットルも入る大きなガラス瓶にウィスキーとドクウツギの実を漬け込み,一年間寝かせておいたという。ふたを開けたのは,翌年の6月30日の夜のことで,赤く色づいた酒は上等なワインのような酔いをもたらすはずだった。しかし,30分もしないうちにAさんは,叫び声をあげるや,胃の中をそっくり吐き出してしまった。口や舌がたまらなく痺れ,激しい痛みに腹をかかえて部屋中を転げまわった。
近くの診療所にかつぎ込まれたときはすでに顔面蒼白,おう吐を頻繁にくりかえし,やがて全身をケイレンさせたかとおもうと意識を失ってしまった。当直医は何が何だかわけがわからなかった。とにかく緊急事態だということでただちに大学病院に連絡をとった。十五分後,抗ケイレン剤が投与されるとケイレンはいったんおさまり,意識も回復した。
しかし,大学病院に転送されて間もなくすると,ふたたびケイレンを起こし,全身が硬直して目がつり上がるというものすごい形相になってしまった。集中治療室で治療をうけたものの,大量の汗で全身がぐつしより濡れ,ケイレンと意識不明をくりかえし,発作のたびにのたうちまわるという苦しみが四時間も続いたのだった。
ドクウツギの毒成分は,神経に作用するセキステルペンで,激しいケイレンをおこすのが特徴とされている。そして,主成分のひとつであるコリアミルチンの致死量は体重1キログラムあたり,たったの0・5ミリグラム。そのうえ,アルコールに非常に溶けやすい。

◇ 画像 ◇
http://web.hakuba.ne.jp/potatoes/botanic/tree/dokuutugi.html

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発行者:織原 羅夢
メールアドレス : lum_rosen@yahoo.co.jp
使用した本 : 毒草を食べてみた 植松 黎・著

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