あ
□わかってる。わかってるから、
1ページ/4ページ
君は、
この館内で唯一俺を見てくれる人だった。
でもそれは、
兄さんを見てないからで…。
「アニュー、
優しい男と優しくない男
どっちが好き?」
「いきなりなんですか?」
「いーから早く」
「……、どちらかと言うと、
優しい男の方が好きです。」
……もしかしたら、
彼女も先に兄を見ていたら、
自分を好きになってくれなかったかもしれない……。
だって、俺は優しくないし、
まるで兄さんの影の様な存在で、
好きになることも、得意なことも、考えることも似かよっている
唯一の違いが、
“優しいか、優しくないか”
「そっか…。」
「えぇ。
だって、ライルは優しい男だから」
.