パラレル連載

□第1話:出会い。
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〔〇×駅〜〇×駅〜〕


扉が開いた2秒後には電車の中は満員になっている。


座りかけていたラビは入ってきた大群に突き飛ばされた。


「なにすん・・・」

文句を言おうと振り返ったが、もはや誰が自分を突き飛ばしたのか分からない。


「(〜〜くっそー!)」


あれだけすっ飛ばしてきたのに。

とりあえずそばにあったつり革につかまった。




「(今日も混んでんな)」


そう思って何気なくあたりを見回すと・・・。


「(ん?)」


近くにいた女子高生の様子がおかしいことに気づいた。顔をしかめて、いかにもいやそうな顔をしている。


「(なんで・・・!)」


見ればとなりには、直立不動の人々の中で明らかに不審な動きをしているサラリーマン風の男。


それを見て、ラビは頭に血がのぼるのを感じた。


「ヤロ・・・ッ」


なんとか人ごみをかき分けて男に近寄ろうとするが、ぎゅうぎゅうずめ状態になった車内でそう簡単には前に進むことができない。



「(やめろ!)」


そう叫びたいところだが、そうなれば男は逃げるかもしれない。

女子高生は恐怖のためか、男の顔を見ようともしないで泣きそうな表情だ。



「(やめろ!!)」



精一杯手を伸ばすが、どうしても届かない。


「(あともう少しなのに!)」


もう一度渾身の力を込めて手を伸ばす。男の手にはまだ届かず、ラビはその手を悔しそうなまなざしで見た。





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