パラレル連載
□第1話:出会い。
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空から注がれる優しい光
ピリリと冷たく白い風
私が朝を好きな理由。
第1話
じりりりりりり
「やっべえやべえさ!!」
たくさんの学生や会社員がごった返すプラットホームで、焦りを感じながら駆け抜ける青年。
その風貌はつい目で追ってしまいそうな華やかさを持っていた。
が
「よしっ見えた!」
いまはそんな場合ではない。
見れば目の前で戸が閉まっている。
「わああああしまるなああ!!」
あと3メートルと言うところで
跳んだ。
バタン
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「はっは・・・ま・まにあったさ・・・」
ぜぇぜぇと息を切らし、つり革につかまる。
「何でもっと早く起こさねえんさあのクソジジイ・・・っ!」
起きんのが悪いんじゃクソガキ、と言っていた時の祖父の顔を思い出し、思わず悪態ついた。
―とりあえず間に合ってよかった;
ようやく一息ついて空いた席に座ると、次の駅に着くところだった。
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