黒バス
□かわいい、だいすき
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うわっ、うーわー。まじっスか。
「………」
***っちが、オレのベッドで寝てる。ケータイ手に持ったまま、気持ち良さそうに寝てる。マネージャー業も忙しいし疲れてたんスねきっと。
「かわいー」
今日はウチの家族が旅行でいないから、泊まりに来ないっスか?と誘った。***っちの作ったご飯食べて、先に***っちが風呂入って、そのあとオレが入ってる間に寝ちゃったんだろうなー。あ、髪濡れたままだ。
「***っちー。風邪引くっスよ」
「んー」
てか、かわいいけど何このおあずけ状態。***っちだって、家に誘われた時点でどういうつもりかくらいわかってるはずなのに。
「***」
寝てるけどキスくらいしても許されるっスよね。無防備な***っちも悪いんだし。うん、許される、大丈夫。
ちゅっ
「んっ…」
触れるだけのキスをしたら***っちはなんだかエロい声を出した。起きる様子はないんだけど、起こして良いっスかね。
あ、でももっかいキスしたい。
ゆっくりと顔を近づけていく。あ、まつ毛長い…。
ガシャンッ
「!?」
「うえ…なに…?」
***っちの手に握られていたケータイが床に落ちて大きな音をたてた。
ばちり、目が合って顔が一気に熱くなった。
「あれ、あたし寝てた?ごめん」
「寝てたっスよー。ちょーかわいい顔して」
「えー、ごめん。で、涼太はあたしに欲情して、キスしようとしたの?」
「よ、くじょうって」
***っちの口からそんな言葉が出てくるとは…。ちょっと嬉しそうな表情をしてるあたり、***はよくわからない。指先で鼻の頭を掻きながら視線をそらした。
「いまキス、した?」
「し、してないっス」
「じゃあキスしよ」
「え?」
「キス、したい」
***っちは頭に乗せていたタオルを引っ張ってスッと自然に唇に触れた。ふわりと柔らかく笑うと、もっかいと呟いた。冷たい両手でオレの顔をつかむと、舌を入れてさっきとは正反対の激しいキスをした。
「んっ」
「っ、ふ、んんっ…」
冷たかった両手が、オレの体温が移ったみたいに熱くなっていく。呼吸と一緒に甘い声が出て来るのが恥ずかしくて仕方ない。
「はぁー」
「***っち?」
熱くなった手で、自分の目以外を隠すと恥ずかしそうに「好きだよ、涼太」と呟いた。
なんでこの人はこんなにもかわいいんだろう。***しか見えなくなる。もう、ホントやばい。