おお振り短編
□僕は彼女にオトサレル2
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プップップッ…、
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
ピッ
***は今日は用事があるから先に帰るねと言った。俺は部活があるからまた明日なと言った。
「やばい隆也だ…」
3回コールして出なかったら切る。気の短い阿部らしい電話の仕方。
***はバタバタと風呂場からでるとバスタオル一枚で水谷のいるリビングに出てきた。
「水谷クン、服着て。隆也がくる!!」
タオルケットに包まってウトウトしている水谷は目を覚ますといきなりバスタオル姿の好きな人の姿が目に入って顔を真っ赤にして慌てた。
「ちょ、***ちゃんそっのかっこ…」
「いいから早く服着てって隆也が来るってば」
「え、マジで…」
青ざめた顔で急いで着替える水谷。***は髪洗う前でよかったなんてつぶやく。
そして部屋着に着替えると窓を全開にし、制服を洗濯機に放り込みスイッチを押した。テーブルの上のコーヒーをわざとこぼして拭いて、精液と愛液のティッシュは台所の蓋のついたごみ箱に棄てた。
「隆也気まぐれで短気で困っちゃう…」
水谷は何も言えずにその光景を見ていた。呆気にとられたというか、
(***ちゃんは多分恐ろしく頭が回る)
窓を半分閉めたところでチャイムがなった。
ガチャリ
「***ー。***?誰か来てんの?
」
「あ、うん。水谷クン来てる。とりあえずあがったら?」
「は?なんで水谷?あ、これアイス」
コンビニの袋に入ったアイスを***に渡すとオレは***の家の中に入った。
「あ、の…」
ものすごくばつの悪そうな顔で椅子に座っている水谷。多分今オレ水谷睨んでる…。
「あのね、あたし水谷クンに話があって。あたしが水谷クンのこと呼んだの。水谷クンが勝手に来た訳じゃないから誤解しないでね?」
「なんでお前水谷のこと家に呼んでんの?」
「隆也は気づいてないかもしれないけど、こないだ、教室でやったでしょ?あれ、水谷クンに見られてたんだよ」
「マジで?」
「マジで。あたし目あったから」
いつ見られるかわからない状態に興奮して、誘ったのはオレ。誘ったっていうか…。
「あたしやだって言ったのにさぁ…。隆也はこんなこと知りたくないだろうし、もしもばれて野球部活動停止なんて困るでしょ?」
だから水谷クンに言わないでって説得してたの。