おお振り短編
□雨のラブソング
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今日はデートのはずだったんだけど、雨で結局オレの部屋でベッドに腰掛けてぼーっとテレビ見たり、ゲームしたり。
隣にいる付き合って4ヶ月になるオレの彼女は、未だによくわからない行動をしたりする。
「こーすけー。ゲームあきたー。あっついジメジメするー…」
今も暑いって言ってるくせにべったりくっついてきたりよくわかんねー。
「暑いなら離れりゃいいだろーが…」
「だってさー、雨だしつまんないしさー。……くっつくのヤだっけ?」
(いや***とならくっつくのもいいけども!でもそれは言ってやんない)
「しらね」
とだけいえば***は見透かしたように、
「もー孝介はツンデレさんだなぁ」
って言って***はオレの顔を人差し指でつついた。今のはうぜぇ…。
「***、今の正直うざい」
「あぁ、そう?ごめんねー」
付き合い始めた頃は、ツンデレとか言ってつついたり、ごめんねーなんて軽い謝り方はなかったんだけど、最近はなんていうか…。
「んー…」
ベッドに寝転がって、オレの腰に手を回す。
「孝介の匂いがするー」
「オレのベッドだからそうなんじゃねーの」
***の手にギュっと力が入って背中で孝介好きとつぶやく。
「ん…。俺も***好き」
さっきテレビの電源は落としたから、窓の外から雨の音が聞こえる以外はほとんど無音。
ちょっと赤くなった顔が真っ黒いテレビ画面に映って、よく見えないのに自分で恥ずかしくなった。
「ねぇ孝介。手、ぎゅってして?」
「はいはい…」
腹のとこにある***の手を取って握ってやると、見えないけどにーっと笑う***の顔が、浮かんだ。
唐突に***が起き上がって、
「ねね、ゲーム飽きたし外でるのめんどくさいし、昼寝しようよ昼寝!!」
と言った。
「隣で手ぇつないで寝ればいいっつーこと?」
「そそ。なんかくっついてたい気分なの」
ベッドに横になって手をつないでタオルケットをかけて。そしたら横で寝てる***はなんかよくわかんないけどすっごい笑顔だった。
「おやすみこーすけ」
「おやすみ、***」
お互いの顔を見ながら目を閉じて、未だに***のことよくわかんないけど、前より***の隣がずっと心地いいんだって思って、雨の音を聞きながら2人で眠った。
雨のラブソング
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あとがき