銀魂短編

□ごめんね、先生
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初めて教室以外の場所で***と会った。





「***。大丈夫***?」


「…。ん、うん…」



バツが悪そうにそう答える***。


苦しそうな表情が銀八の胸に突き刺さり、チクリと痛む。




「何かあった?言える範囲でいいから相談しろよ」



俺も、一応教師だから。



銀八がそう言うと***は寂しそうに笑った。





元々はとても明るい、呆れるほど元気で活発な生徒だった。



「大好き」と言って銀八の元に来ることどころが、学校にもあまり来なくなった。来ても保健室のベッドでボーッとしているだけでクラスメイトとも会わない。






「志村とか、会いたいっつってたけど?」


「あったら、嫌われちゃう。から…」




何で。そう言いかけてベッドの上に見つけた、薬の包みの銀色。



「ホント、どうしたのお前…」


動揺を隠せない銀八の声に反応して、***は制服の袖を捲った。






「ほら…。先生もこんなあたし、嫌い、でしょ?」




***が見せたのは切り傷が何本も、深く刻まれた手首。


赤い線。血の跡。



「***、…なんで?」


「辛かったから」


理由を聞かれても「辛い」、「死にたい」、「消えたい」、そんな言葉ばかりを繰り返した。






「そこまで苦しくなる前に、言ってくれれば、よかったのによォ…」


銀八は頭を掻きながら心苦しいような、情けないような顔をしていた。



「じゃあ先生。あたし今辛いから、…一緒に死んで、くれる?」







***が口にした言葉は、苦しみの末に一生懸命考えて出した一つの答え。



一緒に死ぬことで***が本当に救われるのならそれでもいい。


人生をかけて自分の生徒を守るとか、カッコつけるのは嫌だが***が死にたいなんて本当は思っていかいはずた…。



「……。お前が本当にそうたいんならあの世まで付き合ってやるよ」







口に出して、怖くなる。


生きることも怖い。でも死ぬのも怖い…。一緒に死のう、なんて言うべきではなかったと***は後悔する。







「首とか切って、死ぬ?この辺のはさみとか…」


「先生、せんせっ…」


***の目から涙が溢れてくる。


「やっぱりっ、あたし、死ぬの、怖いよっ…。死にたくないよっ…」


銀八に抱きついて大声を上げて泣いている***。



泣いていいから。落ち込んでいいから。八つ当たりだって、してもいいから。



だから、自分のこと大事にしてくれよ…。




ごめんね、先生
(受け止めるから、弱い***も全部見せて…)






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