銀魂短編

□卒業
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3月1日。銀魂高校では卒業式が行われた。


既に式そのものは終わり、廊下や3年の教室では送別会や追い出し会が行われている。


「はーぁ…。今日で卒業かぁ…」

友達や後輩と長話をした後、私は銀八先生がいる国語準備室へ来ていた。

「去年も一昨年も一緒にここの窓から追い出し会見てたのにね…」

「だから言ったろ?高校の3年間なんてあっという間だって」

涙を見せたくなくて窓に張り付くように外を見ていた。

「***…」

銀八先生は私が泣いているのを知ってか、ポンポンと撫でた。


「俺、最初***見たとき可愛いやついるなーって見てた」

「何言ってんの」

つっぱって笑って見せたが、その瞬間目にたまっていた涙が頬をつたった。

「そしたら3年間***の担任やれてさ。すげー楽しかった」

「私も先生のクラスですごい楽しかった。Z組は問題が多いけど、その代わり楽しい思い出も多かった」

「で、その問題児達が卒業とくりゃ嬉しいんだよ」

「私はあんまり嬉しくないな」と言った声は自分でもわかる程切なかった。

「ねぇ、先生…。最後に一回キスさせてよ」

銀八先生は驚いたあとちょっとだけ吹き出して笑ったあと、一言だけ言った。


「いいぜ?」


と。そして目を閉じて下を向く。


それから、背伸びして、触れるだけの甘いキス。


再び涙をこぼす私に先生が言ってくれたのは、

「俺ンとこ来いよ。付き合おーぜ」

私はセーターの袖で涙を拭い先生に抱きついた。

「うぉっ」

「行く」

照れた様な先生の顔を真っ直ぐ見つめる。

「私、先生んとこ行く!!」

「サンキューな。俺さ、ずっと***のこと好きだったんだぜ?好かれてるの知ってたけど流石に言えねぇしよ」


でももう俺等教師と生徒の関係じゃねぇし。


先生はそう言って私の額にキスをした。




卒業

(じれったい片想いからも、卒業。)
 

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