「爪きれいだよね」
マニキュアを塗っていると後ろから浩史が覗き込んできた
「ネイリストが爪汚かったらお客さんの信用問題に関わるからねー」
職業柄というのもあるけど、やっぱり爪を弄るのが好きな私はネイルケアを欠かさないでいた
「そーだ、浩史、ちょっとあっち向いてて」
「ん?うんいいけど」
浩史を自分とは逆方向を向かせると私はいそいそとネイルアートを仕上げる
「でーきた。浩史みてみてー」
ぱっと差し出した爪には“I Love HK”
それを見るなり浩史はセンスねーとそっぽを向いた
でも髪の間からちらつく耳が真っ赤なのに私は気付いてるよ
「あは、浩史可愛いー」
「うっせーな!」
でも、ネイルにしたのは、言葉にするのが恥ずかしかったから
照れてるのはお互いさまなんだよなーなんて考えてたら思わず笑みが溢れた
「浩史、ずっとこのままでいようね」
「は?何を今更」
また、今度はたくさんの笑みが溢れた―…
*-------------*
ネイルケアしてたらふっと出てきたので書いちゃいました!
拍手ありがとうございます!