haruka
□春の夜の夢
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布団の中で、私は天井を見つめていた。
今ではすっかり見慣れてしまった、上品で綺麗な模様の天井。
現代の私の部屋の天井は、質素な無地。
それが普通だった。
ここの世界で、私は龍神の神子として大切にされている。
8人の男の人に守られて、藤姫の屋敷で丁重にもてなされて……。
現実とは掛け離れた世界。
現代で普通に生活していたら、無縁の世界。
時々、その事を不意に思い出す。
主に、夜中に。
夜というのは、人の考えを暗くする。
考え無くていい事まで、考えてしまう。
「神子殿、失礼します…。いかが為されましたか?」
「え…?」
「涙が………。」
頼久にそう言われて、自分が泣いている事に初めて気付いた。
涙を、そっと指先で拭ってくれる。
その手に、自分の手を重ねて指を絡ませた。
頼久は上体を折って、唇で涙の痕を辿る。
「また、何か考えていたのですか?」
唇が重なり合う。
2度、3度。
「考えちゃいけないって思うんだけど、つい…。」
頼久の首に腕を回すと、頼久も答えて腰に腕を回し、身体を引き寄せた。
「なにも、考え無くて良いのですよ。」
「ン……。」
手が着物の隙間に滑り込む。
肩からスルリと着物が落ちて、あっという間に裸にされていった。
寒さを感じてもおかしくない季節なのに、頼久に触れられた箇所が燃えるように熱くて、全く気にならない程だ。
頼久の手が乳房を包み込み、やわやわと刺激を与える。
しかし核心には触れてくれず、もどかしさに頼久を見詰めれば、くすりと笑って、
「そのような顔は、私にしかお見せになりますぬよう。」
唇を、胸の先に落とした。
「っあ…!」
同時に手の動きも激しくなり、指で固く立ち上がった乳首を捻る。
舌も乳首を丹念に舐め、甘く噛みつきながら、しゃぶりついた。
「ぁふ……んんっ…はぁんあぁ…んふぅ…。」
チュパチュパと子供のように乳首に吸い付く頼久に、普段とのギャップを感じてそそられる。
甘い刺激に、下の花園から甘い蜜が零れ始めた。
濡れた下着に違和感を感じ、早く脱がせて欲しくて膝を擦り合わせた。
すると、乳首への愛撫はそのままに、指が谷間を辿って下へ下へと降りていく。
「はぁ…はぁ、あん…はぁ…。」
下着ごしに割れ目をなぞられれば、これからの快感を思って身を奮わせた。
割れ目を何度か往復すると、指は花芽を掠めながら上へ登り、
頼久の手は、上から下着の中へと侵入した。
「ひゃあっ…ん!」
頼久の手の平は、ぴったりと花園に形を合わせていた。
手や指の微かな動きでさえ、今は敏感に感じ取れる。
「神子殿…。蜜は指を濡らし、襞は手に吸い付いて来るようです。」
あからさまな言葉に、顔がみるみる赤くなるのが分かる。
最近の頼久は、わざと恥ずかしい事を口にして、私をからかう節がある。
しかし、分かってはいるのだが、この男。
「神子殿。そういう所も可愛らしいですね…。」
無自覚らしい。
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