long poem

□酸化銀の翼
1ページ/1ページ

あの空を割る蕾 夜の雲が掻き消して
翼を持った花になれたら きっと強くて
酸素だって毒になってしまう 私には



星屑集める指先 夜空を終えたくて
かき集めた星屑を涙で背中に付けて
硝子みたいに綺麗な銀の翼で飛んだ



花が色づくのは愛されているから
花が散ってゆくのは酸素を吸っているから
愛されていない私は ばらばらになるだけで



そっと色褪せる恋と思い出ならいらない
ずっと遺る後悔と傷跡ならいらない
きっと私の翼は酸化してしまうから



あの青い雲 白の空を 憧れているんだ
届くまで ぼろぼろになるまで 飛んで行くよ
硝子みたいに綺麗な酸化銀の翼で


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ