long poem
□酸化銀の翼
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あの空を割る蕾 夜の雲が掻き消して
翼を持った花になれたら きっと強くて
酸素だって毒になってしまう 私には
星屑集める指先 夜空を終えたくて
かき集めた星屑を涙で背中に付けて
硝子みたいに綺麗な銀の翼で飛んだ
花が色づくのは愛されているから
花が散ってゆくのは酸素を吸っているから
愛されていない私は ばらばらになるだけで
そっと色褪せる恋と思い出ならいらない
ずっと遺る後悔と傷跡ならいらない
きっと私の翼は酸化してしまうから
あの青い雲 白の空を 憧れているんだ
届くまで ぼろぼろになるまで 飛んで行くよ
硝子みたいに綺麗な酸化銀の翼で