long poem

□キミロボットと僕
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操作を間違えたらしい
説明書はないけれど
見なくても理解できる
愛を囁けば赤くなり
笑ってみせれば瞳輝かせて
簡単なことじゃないか
キミロボット


歩調だって決まったペースで
いつも僕の一歩半後で
とても楽しそうに
僕がつけた足跡に
自分の靴を合わせて



いつだってキミは僕の目を見て
心を知ろうとする
覗けるはずがないのに不安で
いつだって僕はキミの目を見ずに
そうだねと相づちを打つ
空気も震えない




ボタンを押し間違えたか?
保証書はあるけれど
直す程じゃないだろう
青いボタンは右半身を
赤いボタンは左半身を
黄色のボタンはなんだっけ?
キミロボット


口調だって決まったペースで
いつも僕が喋れないぐらい
とても嬉しそうに
大きな身振りで小さな手で
冷めないように包んで



いつだってキミは僕の肩に寄せ
髪を撫でさせようとする
少し灰がかった金は僕が好きな色
いつだって僕はキミの髪に触れずに
頬を当ててあきれ笑いを
風も鳴かない



白のカバーの小説を
月が照らす黒い机に
キミロボットはソファーで寝言
星見て問う
キミロボットですか?
僕、ロボットですか?


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