long poem

□月光を浴びた花 と 流れない星
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哀しみをひとつずつ

綺麗な青いビンに注いでいく

もう これで何本目か
わからなくなって

泪を流さない代わりに

今まで注いできたから




私がお願いしたせいね

もっと陽の光を浴びたいって

でも いつだって私には
それが不可能で

だから こうして独り
夜に包まれ

日の光の絵を描いているの

どうか、雨が降って

月まで隠れてしまわぬようにと





あれから少しずつ

でも あの赤いビンは
いつでも空で

あなたが 必要になるからってくれた

それから使った事など
無かった

あなたがいないから




私が醜いせいね

あなたを私のものにしたいなんて

でも いつだって
それを声に出せなくて

だから こうして独り
膝を抱き締め

あなたの名前を何度も
呟くの

どうか、風が吹いて

花まで散ってしまわぬようにと





あれからひとつだけ

綺麗な赤い花が
咲いている

酷く不釣り合いな棘の
群れの中に

なんだか私に似ている

花だ という事以外は




私が夢見がちなせいね

綺麗な花を
咲かせたいなんて

でも いつだって蕾は
蕾のままで

だから こうして独り
月の光浴びて




空が黒く狭いせいね

窓を開け放ち
飛びたいなんて

でも いつだって黒が
私を押し潰して

だから こうして独り
手を伸ばして

降ってきた星を
掴もうとするの

どうか、星が落ちて

光が消えてしまわぬようにと




どうか、無くなる時まで

失ってしまわぬようにと

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