long poem

□僕には名前がある
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僕には日課がある
毎朝の散歩とひなたぼっこ

いつも走ってやってくる
いつも同じ服でやってくる

僕はパンがもらえるからだけど
どうやら君は僕と話すため


桜が咲いて、蝉が鳴いて
紅葉が舞って、雪が降って
変わらず君が笑いかける日々
だけど僕は、こんなだから、
君が話す、ひとつひとつ、
わからなくて、でも楽しくて



僕には日課がある
毎朝の散歩とひなたぼっこ

いつも走ってやってくる
いつも同じ服でやってくる

でも どうやら今日は来ないみたい
君と出会って四回目の春


桜が降って、蝉が舞って
紅葉が鳴いて、雪が咲いて
パンをくれた君が来ない日々
だけどパンは、もういらない、
君が触れる、ひとつひとつ、
温かくて、でも哀しくて





僕には日課があった
毎朝の散歩とひなたぼっこ

もう僕には必要ない
もう僕には意味がない

今の僕には この暗がりが
朝日を浴びると思い出すから


桜が咲いて、蝉が鳴いて
紅葉が舞って、雪が降って
優しく君が呼ぶ僕の名前
だけど僕は、こんなだから、
君が呼ぶ、ひとつひとつ、
わからなくて、でも嬉しくて



何か聞こえる…
急に体が浮かんだ…
目の前に…



僕には名前がある
君がいつも呼んでくれる名前

いつも笑っていてくれる
いつも違う服で笑ってる

どうやら僕の名前は体の
色なんだって


シロなんだって

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