短編、その他
□あなたの願い、僕の願い…
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俺様はあきれながらも、旦那と花見をすることにした。だって、せっかく旦那が誘ってくれたんだしね。
そして、しばらく二人で桜を見ながらのんびりと過ごす。
「綺麗だな……」
「うん、綺麗だよね…でも…」
「何だ?」
「桜の木の下には良く人の骸が埋まっていると言うよね」
「Σ!?そ、そうなのか?」
「本当かどうかは知らないけど、桜はその人の血を吸って花を染まるって聞いたことがある」
「じゃ、この桜の下には死体は埋まっていないな」
「何で?」
「この桜の花は色が白いから…」
旦那に言われて桜を良く見れば、この桜は他と違い色が白い…
「なぁ、佐助…」
「何?旦那」
「俺が死んだら、この桜の木の下に埋めてくれぬか?」
「ハァ!?な、何ってんだよ。縁起でもない。それに、旦那は俺様が死なせないよ!」
「当たり前だ!俺が言いたいのは、御館様が天下をおさめ。俺がヨボヨボのじいさんになって、それからの話だ!」
「………」
「何だ?」
「旦那より俺様のが歳上だから、順番から言って俺様のが先だと思うよ?」
「何か佐助なら、もののけになるくらい長生きしそうだから…」
「なにそれ!」
「冗談だ」
旦那はケラケラと笑う。