短編、その他
□お昼寝
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「♪〜♪♪〜〜」
「おい、幸村随分ご機嫌じゃないか。なんか良いことあったのか?」
「そんな事ないでござるよ」
『お昼寝〜穏やかな昼下がり〜』
天気の良い午後の授業、幸村は楽しそうに窓際の自分の席からグランドを見ている。
今日この時間は佐助達のクラスの体育の時間。佐助の授業を受けている姿が見れる時間なのだ。
「佐助のカッコいい姿が見れるでござる〜♪」
「幸村?なんか言ったか?」
「!?な、何でもないでござる!」
いきなり政宗に話しかけられ慌てて否定する。
そして、授業が始まるチャイムがなる。
幸村のクラスも、佐助のクラスも授業が始まる。
幸村は授業を完全無視状態で、窓から佐助を探す。
「いない…慶次殿はいるのだが…」
幸村は必死に佐助の姿を探すが、どこにもいない。
『どうしたんだろ?…具合が悪くて保健室にでもいるのか?』
そう思ったら急に心配になってきた幸村は、先生に気分が悪いと嘘をつき保健室に向かった。
ガラガラ…
「失礼します。…あれ?先生いないでござる」
幸村が保健室に入ってみるとそこには、先生の姿はなかった。
用事があって先生は何処かに行ってると思い、勝手に佐助を探す。
「佐助」
いない…
「さ〜すけ!」
また、いない…
「佐助!…また、いないでござる」
三つあるベッドを全部調べたが佐助どころか誰の姿もない。
「いったいどこにおるのだ!もしかして、先に帰ったのか?」
幸村は佐助の下駄箱へ向かった。
「靴はある。まだ、学校にいる」
幸村は佐助を探して校内を走り回る。
体育の授業で誰もいない佐助の教室、中庭、そして屋上。