短編、その他

□赤い痕
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「寒い…」


寒くて目をあければ、カーテンからもれた光が部屋を明るくしていた。時間を確認すれば6時になったばかりだった。どうせ今日は、休みだゆっくりしていてもバチは当たらないだろう。そう思って再びベットの中に入ろうとしたら隣で幸せそうに寝ていた人物が寝返りをうった。


「うつ伏せって苦しくないのか?」


そんな事を思いながらまだ起きる気配のない相手の寝顔を堪能する。
きれいな顎のライン、スーッと通った鼻筋、白い肌、量は多くはないが長い睫毛。そして、今は閉じられているが色素の薄いオレンジ色瞳…。
早く起きて、その瞳に俺をうつして…。早く俺を意外にたくましい腕で抱きしてめて欲しい…。
一体俺は何を考えているんだ?恥ずかしくなった俺は首を左右にふり再び相手を見ると、背中に細く赤い線を見つけた。


「なんだコレ?昨日は確かなかったよなぁ?」


よく見るとその赤い線は、みみず腫で10本ある。ぶつけて出きるのは痣、猫にでも引っ掛かれたのか?でも、猫にしては大きいし数も多い。一体何処でつけたんだ?


「痛そうだなぁ…」


 
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