短編、その他

□寒い帰り道
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ちょっと帰りが遅くなり、辺りは真っ暗。さっきまで月が見えていたが雲で隠れてしまったため灯りは数メートルごとにある街灯だけ。オマケに寒い…
そんな中を歩く二人の人影があった。


「さぶいでござる〜」

「うん。寒いね」


寒い、寒いと言いながら二人は暗い夜道を歩いていると突然幸村が佐助の袖を引っ張る。


「何?旦那」

「え!?あっ…いや、何でもないが///」

慌てて手を離した後、何かを言いたそうに上目遣いで佐助を見る。


『あぁ〜〜。相変わらず可愛いな〜♪』


しばらく上目遣いの幸村を堪能していると、再び幸村が佐助の袖を引っ張り小さな声で


「誰もいないし、手……つながないか?」


そんな、可愛いお願いに佐助は…


「旦那〜♪可愛い!」

「うわっぁ!?」


思いっきり抱き着いて幸村の顔に頬ずりする。


「いい加減離せ!もう、佐助など知らん!」

「ごめん、ごめん」


顔を真っ赤してぷうっと頬っぺを膨らませ怒る幸村のしぐさが可愛いのだが、それを言うと更に怒ってしまうので佐助はその言葉を飲み込む。
そして、幸村の前に手を差し出して


「手、繋ぎたいんでしょ?」

「……///うん」


幸村は顔を真っ赤にして差し出された手に自分の手を重ねる。すると佐助は繋いだ手を自分のコートのポケットに突っ込む。


「佐助?」

「この方が、暖かいでしょ?」

「…うん///」

「相変わらず、旦那は暖かいね」

「そうか?…佐助の手は冷たいな」


 
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