パラレルグラフィティ


□さんぽ道-ぼくにできること-
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まー君は今日もお仕事です。

「いってらっしゃーい」

玄関が閉まったら、ベランダの方の窓辺に移動して、駅に歩いていく後ろ姿を、見えなくなるまでお見送り。
今日は早く帰って来ると良いなぁ…。
昨日は夜遅くに帰ってきて、とっても疲れた顔をしていた。それでも、ちゃんとお散歩に連れていってくれて、本当に嬉しかったけど、まー君が疲れちゃってないか心配だった。
まー君のお仕事が手伝えたらいいのにって考えていたら、後ろ姿が見えなくなってしまった。ちょっと悲しい。

「あ!」

でも、良いこと思い付いた。
さっそく準備しなきゃ!



お留守番は少し退屈。
ぬいぐるみと遊んだり、床にゴロゴロと寝そべったり。時々、窓の外にまー君の姿を探したり…。
眠くなったら、ベッドの隣に座ってみる。まー君はベッドに入っていいよって言うけど、勝手にベッドやソファーに乗っちゃダメって、先生に教えて貰ったから、顔だけ毛布に乗っけてお昼寝。まー君の匂いがして嬉しい♪ぎゅってしてるみたい。
まー君が夢に出てきたら良いなぁと思いながら目を閉じた。



まー君みたいな優しいご主人様に貰われて、本当に幸せ。
だから早く帰ってきて。
たくさん撫でて、ぎゅーってして。あとね…

「…」

ぼんやりとした気持ちの中で、何かが髪に触れた気がする。

「ただいま」

耳に流れ込んだ声に、僕は飛び起きた。

「おかえりなさい!」

ぎゅーっと抱き着いて、おかえりなさいのキスをする。まー君も、お返ししてくれた。嬉しくて尻尾が揺れる。撫でてほしくて、まー君の肩におでこを擦り付けた。

「よしよし、散歩行こうな」

くしゃくしゃと僕の頭を撫でて、まー君が立ち上がる。とっても嬉しいけど、今日は我慢するって決めたんだ。

「ううん、行かない。今日は、まー君お休みして?」
「え?」
「お仕事疲れたでしょ?だから、お散歩行かない」

まー君は平気だって言うけど、元気がないの知ってるよ。

「それにね、お風呂掃除したの。だから、まー君ゆっくりお風呂入って?」
「ソウが掃除したの?」
「うん。お風呂は疲れが取れるんでしょ?」

先生が前に言っていた。シャワーよりも、お風呂に浸かった方が疲れが取れるんだって。

「…わかった。ありがとう」
「じゃあ、お湯入れてくるね!」

良かった♪喜んでもらえたみたい。これからも、いろんな事をたくさん覚えるからね!



<END>

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