君色グラフィティ
□愛のままに※
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くちゃ…と粘着質の音が部屋に響く。
「んっ!…はぁ、鳴海…」
「んー?」
鳴海は想を後ろから抱き込んで、脈を打つ想に手淫をしながら、首筋に唇を押し当てた。
「ぁっ…」
小さく肩を跳ねさせて、想は逃げるように体をよじるが、それは鳴海の手によって阻止される。
「想、こっち向いて…」
「?…、んんッ……ふぁっ…」
想が振り向くより早く、鳴海は空いてる手を想の顎に添えて振り向かせ、薄く開いている唇を塞いだ。すると、敏感な想の体は電気が走ったかのようにビクンと跳ねる。
「っは…大丈夫?」
「…ぅん、…ねぇ…」
涙を零す想に鳴海が問い掛けると、想は顔を赤くしながら頷いて、濡れた目でキスをねだる。
「もっと?」
想が頷くのを見届けて、鳴海はまた、唾液で妖しく艶めいた唇に貪りついた。
「…んぅ…ん、ぁぁ…っ…」
しばらく、されるがままになっていた想が、限界を感じて鳴海の体を押し離そうとする。しかし、鳴海はより強く想を抱き寄せて、想を扱く手の強さも増した。
「だめッ…そんなにしたら……出ちゃ…、んンッ―――!!」
断続的に吐き出される精を搾り取りながら、鳴海は笑みを浮かべる。
「ごめんな、今日は手加減出来ないかも…」
耳元で囁かれた声を聴いて、想は、これから与えられるであろう快楽に身を震わせた。
*
鈍い腰の痛みで、想は目を覚ます。昨夜は久しぶりだったせいもあって、珍しく意識が曖昧になるほどしてしまった。
(…恥ずかしい)
断片的に残る記憶を思い出し、赤く染まる頬を隠すように手を当てて、想は鳴海の胸に顔を埋めた。
すると、腕枕をしていた鳴海の腕が、するりと動いて想を抱き寄せる。
「…寒い?」
「ううん、平気」
「腰は?」
「ちょっと痛い…」
「ごめんな」
「大丈夫だよ」
辛そうに表情を崩した鳴海の肌を撫でて、想は鳴海の左胸の皮膚を吸い上げた。
「ッ、想…!」
「昨日のお返し」
慌てる鳴海を見上げ、悪戯っぽく笑う想の、その左胸には、鳴海が昨夜付けた紅い痕が…。
「こら、煽るなよ…」
「え…?」
欲情を煽られた鳴海が想を組み敷くと、想はなにもわかっていない様子で首を傾げる。
(…まったく、天然ってのも困ったもんだな…)
ポカンとしている想の頬に口づけて、鳴海は苦笑した。
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