君色グラフィティ
□秋風に抱かれて
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「……」
放課後の教室、窓際の席で、気持ち良くうたた寝中。
「想ー」
一緒に帰る約束をしていた鳴海の声がする。
「ん〜…」
起きなきゃ…でも、あと少し…。
「ほら、起きろ」
「んー…」
肩を揺らされて、なんとか体を起こしてみたけど、やっぱり目がしっかり開かない。
「起きないとキスするぞ?」
言葉と供に、温もりが唇に触れた。
「…そんな、もう少し待ってよ」
至近距離での鳴海の笑みに、ドキッとして目が冴える。
「待てないよ」
なんかズルイ…。僕は待ってたのに。
「鳴海が、なかなか来ないから…」
「ごめんな。待ちくたびれた?」
「忘れてるのかと思った」
「それはないよ」
もう一度、唇に触れて、鳴海は微笑む。
「……」
耳障りなほど、心臓が煩い。
「さ、帰ろう」
「う、うん…」
手を繋いだら、ドキドキしてるのがバレてしまいそうで、僕は差し出された手の袖口を掴んだ。
「想は可愛いな」
…手を繋がなくても、バレてたみたい。
<END>
…なんだか想くんのキャラが掴めない話になってしまいました(^-^;