特 小説 別

□DUAL-CROSS 『She (Was) Teared』
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『――、続いてのニュースです。昨夜未明、身元不明の刺殺死体が発見されました。犯行の手口から連続通り魔事件の3人目の被害者である可能性が高いようです。依然として犯人は捕まっておらず、また捜査も難航している模様…』

―………

長い髪の少女はリモコンを手に取りテレビを消した

―最近は物騒な事件が多いみたい…
―あまり遅くまで出歩かない方が良さそうです

時計を見上げて時間を確認すると、ゆっくりと少女は立ち上がる

―さて、そろそろ…出掛けなくちゃ……

―あれ?お気に入りの赤い帽子と赤いコートはどこだろう…

慌てて部屋の中を見渡すが見当たらない

―えーっと…あ……
―玄関の引っかけに掛けておいたんだった

落ち着きを取り戻すと鏡の前で髪を手櫛で整える
整えた後、鏡をじっと見るがその顔はどこか不満げであった

―よしっ……いってきます


ガチャ……バタンッ……

……

……

……

……

……ガチャ


―あぅ…マスク忘れてた…

▽△▽△▽


夕方、人気の無い住宅街
男が1人歩いていた
携帯電話で忙しなく話している
見たところ外回りのサラリーマンのようだ

その男の前方の曲がり角
そこから、男の様子を伺う女がいた
鍔広帽子にロングコートという格好をしていて、どこか異質な雰囲気を持っている

何も知らない男は相変わらず携帯で忙しそうに話しながら角を通りすぎて行く

マスクを着けたその女は後ろから男に声をかける
彼女の後ろ手には、夕焼けに反射して紅く光る鎌が握られていた

▽△▽△▽

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