◆第4幕・Sugar。
□WORLDEND.
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私――
此処に居るべきでは、
ないのかもしれないわ――…
まるで。
カップから滴る雫のように。
素っ気なく零れた…言葉。
夕陽はテラスまで迫り。
足元を朱く照らす。
メノスの森の方だろうか。
ぎゃあぎゃあと喧しい声は。
きっとねぐら争いの鳥で。
自分もついこの間迄。
――宛てもなく、さ迷っていた時の事を思う。
そう――ネリエル様の従属官となる迄は。
「それは…此処を出て行かれる――ということでしょうか?」
自分の声が。
やや――震えるのが解った。
ややあって。
ネリエル様が振り向く。
逆光で表情迄は見えないが。
その首の角度から。
やや曖昧に笑っているのだろうと――思った。
「風が出てきたわね――…」
戻りましょうか。
…と。
まるで何も無かったかの様に、ネリエル様は――テラスから出ていった。