◆第4幕・Sugar。

□ミントサワー。
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ぽたり。

地面に滴。



雨上がり。
湿度を増した空気。

梅雨明けは。
――まだ、先。


「――流石に外は暑いのな…」


黒崎くんが。
シャツの袖で、額の汗を拭う。

少し焼けた肌が光る。


街燈が――点り始めた。



そして。


ちかり。
夕陽が反射した。


今日の記念。



キュッ。


「…っと…!」

…ぱくん。



軽い音を立て。
黒崎くんが。
新品のタンブラーを開ける。



「お揃いだね?」


私がそう――言って。

自分のタンブラーを。
翳して。揺らす。


「…そう――だ、な…」


黒崎くんが小さく言って。
少し照れたように。
視線を逸らした。



ミントサワー。







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