◆第4幕・Sugar。

□羽虫。
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ハッ。

何だよ。この優男はよ。



――そう、思った。





第一印象。

多分、今も…前と変わらない。





「何――あのクソ眼鏡。」

好みじゃねえんだよ。



「――チルッチ…」

やめとけ。

相変わらず…だな。
その口の悪さは。

ドルドーニは…それは盛大な溜め息を――つきやがった。





「だって――」

何か…あの顔見てると。

――苛つく、んだよ。




澄まあした顔して、高みから見下ろしやがって。

通りすがりに…足掛けてやろうか。

奴の紅茶に…異物混ぜてやろうか。

それから――…

「チルッチ、あのな…」
「別に、言ってみただけで…」

実行しちゃいないだろ。

「…実行したらマズイだろ…」

ロリ、やメノリだとかいう…お取り巻きのお嬢ちゃん連中が、黙っちゃ――いないだろうし。

「お前、気にしてるのか?

『虚夜宮』の女達は、『藍染』とかいう、元・死神の"愛人志願者"だ――、っていう…」

「…っざけんな!!」

愛人?アタシが!?
あんなウザいオッサンの愛人!
元死神の!!


「――単なる噂だ」

嫉妬だ。
気にするな。

気にしてなんかないっつーの!





十刃。

嫌でも顔を――合わせなきゃなンない。





だから。

アイツに。
呼び出し食らった時は

胸やけのような。

――まるで。



肺、が――。


――吐きそう。







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