.

□過去
2ページ/4ページ



「‥‥浜田、誰?」
「俺の先輩の島崎さんとその彼女の準ちゃん。」
「で?話って何?」


目が合うとニコッと笑顔で返してくれた。


「慎吾さん、ヤバイあの子かなり可愛い。むしろ欲しい」
「そぉか?準のが可愛いと思うけど?」
「なっ?!///馬鹿!」
「ちょっとそこのバカップル、話聞いてくれます?」


話というのはバンドのことだ。この間ベースが抜け困っていたところだ。


「―――つまり、浜田がベースとしてうちのバンドにくるってこと?」
「まぁ、そういうコト」
「うちも高校ではバンドしないでバイトするって梅原に言われてさ、梅が辞めるなら梶山も辞めるだろうしな」
「ちょっと待てよ浜田!
俺それ初耳だぞ!?梅さん辞めんの!?」


取り乱した彼女は、大人びたさっきの雰囲気とは打って変わりひどく幼く見えた。


「だいたいお前ギターじゃねぇのかよ?」
「ギターは島崎さんが弾くよ」
「‥‥俺は?」
「だから準ちゃんにも来てもらったの。二人でボーカルなんてどうかな?」
「‥‥‥‥」


ガタンと大きな音をたてて彼女は立ち上がり、そのまま何も言わず出口に向かって早足に歩いて行った。



.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ