A

□片恋
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こんな些細なことで

泣けるくらい嬉しいのに

きっと君は

それが当たり前のように

笑うんだろう…―――





■片恋






きっと俺は、何年たってもこの恋を忘れない―――


「…久しぶりだね、泉」
「浜田‥‥」


高校を卒業してたった二年という月日。
成人した野球部の皆で集まることになったらしい。援団の奴らも折角だから会おうと田島から連絡を受けたのは三日前。


「ちょっと身長伸びた?」
「お前は髪のばしすぎ。うざくない?」


泉は相変わらずだ。
相変わらず口が悪くて、態度でかくて、素直じゃなくて、可愛かった。


それから昔話に華を咲かせるメンバー。酒も入り、皆上機嫌である。
なのに、泉はずっと不機嫌な顔をしていた。

栄口や三橋が話し掛ければ笑って応じる。水谷を見れば、昔のようにからかう。

なのに、どこか上の空だった。




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