森林のトンネル‡小説
□君と僕 2
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本屋の帰り、少年は公園に寄った。もうひとつ、何かが入っている袋をぶら下げながら。
君と僕
少年は、公園のベンチに向かって歩いていた。
いつもの場所。お気に入りの場所へと。
今の時間帯は、お昼ごろだから人通りは少ない。
少年は、ベンチに座ると買って来たばかりの本を取り出し、黙々と読み始めた。
ベンチから少し離れた所に、大きな木があった。
その木の陰から、少年を見ている人影があった。
影は、少年へと歩み寄っていった。
影は、少年の元まで行くと、少年の隣に座った。
少年は、気付いていないようだ。でも、影は気にした様子も無く、ただ隣で座っていた。
しばらくして、少年は本をパタリ、と閉じた。