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創作めも
没か採用かは未定
◆紫百合聖母 

「ウェディングドレスの姉ちゃん、超綺麗だろうなぁ。」
「白無垢もな。お色直し10回位やりてーな。あ、バージンロードは2回歩いてもらおうぜ。そうすれば、俺等どっちも姉さんと歩けるじゃん?」
「兄ちゃん、天才!」

2022/03/30(Wed) 21:20 

◆紫百合聖母 

状況から疑われるのも仕方がないことね。
知人のことを黙っていたのは事実。
けれど、私は梵天の情報やお金を流すなんてことは決してしていないわ。
 
蘭と竜胆に誓って、私は裏切り者でもスパイでもない。
 
 
………神に誓ってとか言われるより、よっぽど信憑性はあるな…。
 
鶴蝶がイザナに誓って、って言ってるようなもんだもんな。
 
お、俺!?
 
…白けたな。一旦、話聴くか。
 
 
んじゃ、俺、コーヒー。姉さんは、いつものノンカフェインコーヒー?

えぇ。
 
俺、牛乳入れてカフェオレにしたい。
 
灰谷兄弟!お前等の姉貴の問題だろうが!
 
姉さんが違うって言ってんなら違うんだろ。その上で話聴かせろって言ってきてんなら、飲み物位出せよ。

2022/03/08(Tue) 23:46 

◆紫百合聖母 

姉貴に何かある度に、大騒ぎして、みっともねぇな。
そんなんじゃ、百合さんがお前等の弱味だって言い触らしてるようなもんじゃねーの。
 
 
弱味で良いよ。
認めるよ、姉さんは俺達の弱点だよ。
だから何?
 
あのさ、俺ら未だ学校にも上がる前のガキだったわけ。
唯一の庇護者である姉さんを、あのクソ親共が珍しく病院に連れてって、したらすぐ帰ってこなくて、漸くお見舞いに行けたら、姉さんの足、失くなってんの。
幾ら俺と竜胆たって、未就学児のガキにとっちゃトラウマにもなるっしょ。
 
 
姉さんになんかあったら、俺達は耐えられない。
眼離した間に、姉さんに何かあったりしたらって思ったら、放ってなんておけない。
だから、みっともなかろうと必死になるの。
 
何でこんなに大切な姉さんと離れて暮らしてたと思う?
弱点になるって解ってたから。俺等にとっても、姉さんにとっても。
だから、ずっと距離を置いてた。
 
弱点だろうと、もうどうにでもできるって思えたから、呼び寄せたんだよ。

2022/02/16(Wed) 01:37 

◆おとなりさん 

俺、間違ったかな。ドラケン、怒ってると思う?
 
怒ってはいないんじゃない、少し呆れてるかもしれないけど。上手く両立させろよ、って。
でも、友達、しかも頼ってきた後輩を無下にする方が、きっと龍宮寺は悲しんだんじゃないかな。
 
…だよな。
あとさ…籍入れるって話、どうする。
俺、賞蹴っちゃったし、これからまたチーム入る訳だし…
 
賞蹴ったの、何か関係ある?
私、結果がどうあれ、新人賞が終わったらってことだと思ってたんだけど。お父さん達にもそう伝えちゃったし。
てか、チーム入るなら尚のこと早目に籍入れないと。また喧嘩するんでしょ?手術の怪我の同意書書けるようにしとかないと。
 
大怪我前提で考えんなよ…。

2022/02/06(Sun) 23:46 

◆紫百合聖母 

「なんで『ねーね』じゃなくなったんだよ。」
 
姉さんに守られてるだけじゃ駄目だと思ったから。
 
病院でさ、足無くなった姉さん見て思ったの。
俺等のことを姉さんが守ってくれてきたように、俺等も姉さんのこと守らなきゃって。
そのためには、甘えて可愛がられてる俺等のままじゃいられない。
 
姉さん、言ってたろ。
俺等滅茶苦茶可愛かったんだよ。公園とかで遊んでると、ほんっとすぐ変態が寄ってくんの。まぁ、ガキなりに自衛してたから問題はなかったけど。
 
見た目の可愛さは隠し切れないからさ、せめて言動位はどうにかしようと思って。
で、可愛らしく『ねーね』『蘭ちゃん』『竜ちゃん』なんて呼んでたら、ナメられんなーって。
だから、形からって訳じゃないけど、竜胆と相談して止めようってことにしたの。
竜胆には、『ねーね』と『蘭ちゃん』のことは、姉ちゃん、兄ちゃんって呼ばせて。
俺は、たった一歳っても竜胆より兄な訳だからそれらしく『ねーね』は姉さん、『竜ちゃん』は竜胆って呼び捨てにして。
 
姉さんが、一寸悲しそうにしてたのは、気付いたんだけどさ、俺等も真剣だったから。

2022/02/04(Fri) 22:58 

◆紫百合聖母 

「兄貴だって、姉ちゃんのこと『ねーね』って呼んでたくせに!」
 
 竜胆の爆弾発言に、春千夜と一が顔を上げた。
 どうにも面白い単語が聞こえた気がしたが聞き間違えだろうかと蘭を見遣れば、その耳は赤く染まっていた。
 
「お前もだろーが、竜胆!」
「俺は良いの!可愛いんだから!」
「蘭ちゃんだって可愛いだろうが!!」
「懐かしいわね、お互いのことは蘭ちゃん、竜ちゃんって呼んでた頃だわ。」
 
 懐かしむ百合の嬉しそうな声に、春千夜と一は、思わず吹き出した。
 兄の自称『蘭ちゃん』発言はたまに耳にするものの、竜胆もそう呼んでいたこと、そしてその竜胆のことを蘭も可愛らしく呼んでいたことがダブルで効いた。
 
「今でも二人は可愛いけれど、あの頃は本当、宗教画の天使みたいに可愛かったものね。」
「姉さんも今も昔も可愛いよ。」
「中身は姉ちゃんが一番天使だよ。」
「ふふ、有難う。」

2022/02/04(Fri) 22:44 

◆紫百合聖母 

二人達を『ねーね』って呼ばなくなったの、私が入院してた頃からなの。
 
庇ったつもりだったのに、此の足のことで、背負わせてしまったものがあると思うと、本当に申し訳なくて…あの子達、あんなに小さかったのに、まだあんなに幼かったのに…。
 
「全ての兄弟姉妹がそうあるべきとは思わないけど、灰谷家みたいに仲が良い姉弟なら、背負ったり背負わせたりなんてお互い様だろ。」
 
私は、あの子達のことで、何か背負わされたつもらなんてないわ。
 
「百合さんがそう思ってるなら、あいつらも同じように、背負わされたなんて微塵も思ってないさ。相思相愛、仲が良くて宜しいこった。」

2022/02/04(Fri) 22:33 

◆紫百合聖母 

「一くん、覚えて。」
 
 突然見せられたスマートフォンの画面には、14桁の数字が表示されていた。最初の数桁には記憶があった。
 
「…これ、国際」
 
 言いかけた言葉は、すっと指で制された。
 
「もう1つ、次は耳で覚えて。」 
 
 制した指で、自分の口元を指し示した。
 
「我係被介紹畀紫百合嘅日本人。」
「中国語、いや広東語か?ウォハイ…?」
「我係被介紹畀紫百合嘅日本人。
 繰り返して。ちゃんと発音できるようになって。」
 
 優しいけれど、真剣な声に、素直に従い、繰り返す。
 
「我係被介紹畀紫百合嘅日本人。」
 
 十数回の繰り返しの後、たどたどしくも、正しく発せられた文章に頷く。
 
「…これを覚えておくと、どうなるんだ。」
「もし、一くんが、どうしようもなくなって、今と似たような仕事をする気になったとき、助けてくれるわ。」
「今と似たような仕事って…」
「金勘定が得意な人は何処でも重宝されるものよ。例えば………銀行とか。」
 
 14桁の数字、広東語のフレーズ、そして『銀行』。
 繋がり難いはずの3つは、彼女を介すと、すんなりと繋がる。
 
「一くんの能力があれば、お友達1人位なら一緒でも大丈夫。…まぁ、少なくとも5年はしっかり働くことは要求されるだろうけれど。」

2022/01/30(Sun) 23:15 

◆舞姫 

違う。
 
違う、と、リンでも思ってしまった。
 
一番近いリンですら違う以上、正解は、完璧は、決してないのだと、私の踊りが完成することはないのだと、私の求める理想を実現させることはできないのだと、気付いて、気付かないふりをした。
自分を誤魔化しながら踊り続けた。
踊って、踊って………コンクールの最中、もう、自分を騙すことが出来なくなった。
 
辿り着くことが出来ないのなら、せめて、自分のためだけに踊りたい。
人に観せるためじゃない、誰かのためじゃない、自分のため、自分だけのために。

2022/01/29(Sat) 22:43 

◆紫百合聖母 

貴方達が私を引きずり込んで、巻き込んだというのなら、今度は二人が私に引きずり込まれて、巻き込まれてちょうだい。

2022/01/28(Fri) 13:55 

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