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□真夜中に朝日が上る
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そのあともタケシはグラスを止めなかった。注文する度にマスターは止めたけれど、はぐらかしては次々にボトルを空けては浴びるように飲んでいった。(ほんとに浴びるように飲んだの。)




「もうほんとに止めたら?後が大変よ?」


「なーに言ってんですか!こんなんまだまだっすよ。」



顔を真っ赤にして言うところをみると、いくらでも飲めるというわけでもなさそうで、明日の彼が簡単に予想出来る。




(どうしたものかしら…。)




放って置くわけにもいかないし、困っていたら、また扉が開いた。


入ってきたのは、シルバーの長い髪と顔以外は黒ずくめが目立つ、長身の男。





「…いい加減にしといたらどうなんだぁ?」




その男の声はとても特徴的で、そのバールには少し不似合いなくらいに感じた。

そうしたら、タケシの表情が変わったの。それはもう誰にだって分かったと思うくらい。
それで、待ち人が彼なんだって分かったわ。

それなのに、タケシったらすぐに彼から顔を背けて、知らない振りをしたの。拗ねてる子供と同じね。




「ゔお゙ぉい、…遅れたのは、悪かった。だが、飲み過ぎだぜぇ?」


「そんなに飲んでねーし。スクアーロが気にすることねぇもん。」


「…たく、面倒くせぇ…」




そう言った黒ずくめの彼は綺麗な銀髪を乱してため息をついた。
そうして、突然タケシの身体を抱え上げたの。そうして肩に乗せられたタケシは、何となく子供みたいだった。




「っ、スクアーロ…!なにすんだよ!」


「良いから黙ってろ、酔っ払いがぁ。」




大の男が担ぎあげられてるのは、とっても目立ってた。二人とも滅多に見かけないような人だから。



「…こいつが邪魔したなぁ、悪かった。」



突然こちらを見た銀の彼が紡いだ言葉には驚いたけれど、すぐに笑ってしまったわ。



「いいえ、こちらこそとても楽しかったわ。ありがとう。」





そう言って立ち上がった私に、彼に背負われたままのタケシが柔らかな笑みを向けてくれたから、少し意地悪しようと思って、近付いてタケシの唇にバーチを一つ。




「じゃあまたね。タケシ。」



「う、ぇ?…あ、はい。また!」



「……ゔぉい。」





タケシの驚いたような表情の後の笑顔と、銀の彼の居心地悪そうな視線に笑うのを堪えながら、私はバールを後にした。





輝く太陽みたいな笑顔の彼と、月明かりのような白銀の髪の彼。

その後、彼らがどうなったかですって?



楽しい金曜の夜を過ごしたんじゃないかしら。
もちろん、甘い夜をね!




――――――――


太陽と月が会えるとき、なんてないの。



それでも、だからこその
I need you!
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