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□バースデイ・クライシス
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…プレゼント?



「プレゼントって、どういうこと…」



『誕生日のだ。先週はあいつの誕生日だったんだぞ。』




「たん、じょーび…?」




思考がフリーズ。むしろ一瞬時間が止まったみたいだった。思ってもみない展開で、言葉を取り込むのにも時間がかかった。



その空気を壊したのは、オレの手から滑り落ちた携帯がフローリングの床にあたって立てた、硬質な渇いた音だった。(ディーノさんに買ってもらった、色違いの、携帯。)




『…や、やまもと?』



「…知らなかった…」





そういえば、ディーノさんから誕生日聞いたことないし、そーいう話もしなかった。
だけど、まさかもう終わった、なんて…!


「……どうしよう…!」


『わ、待って、待ってやまもとー!落ち着こう、ね?!』





ツナにストップ掛けられて、初めて自分がツナの肩に手をかけてぐらぐら揺さ振ってたことに気付いた。



「ご、ごめん…」



『オレは大丈夫だよ、それより…どうするの…?』





―――――――



これがあって、今にいたるわけだけど…、どうしたらいいのかさっぱり分からない。当日過ぎてから祝うってのもなんかあれだし、プレゼントっていったって今から用意出来るものなんてほとんどない。




もうディーノさんも着く頃……、と思うと同時に、ガラガラと独特な音を立てて店の扉が開き、暖簾が揺れた。




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