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□ワガママ
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『…うん。骸、会いたいって言ったらいつだって来てくれるだろ?』



それは、僕も君に会いたいから。



『それなら、オレが我慢したら骸は疲れないと、思って…』

「…武、」




目の前の愛しい生き物を抱き寄せて、僕よりも背は高いのに、細いその身体を思い切り抱きしめる。



『けどさ、やっぱ無理で、…呼んじまうのな。オレ、嬉しいのに、オレが骸のこと疲れさせてんだって思ったら…、』

「武、いいんですよ」



可愛らしい唇から紡がれる切ないほど甘やかな言葉を遮って、指を添えて。




『…会えるの、嬉しくて…やめらんねぇの。…むくろ……』


「誰が疲れるんですか。武に会えないほうが、ずっと苦しいです」




僕とは違う、純粋無垢な瞳から、綺麗な雫が落ちるのが勿体なくて、舌で掬い上げる。




『ほんとに、いいの?』

「当たり前でしょう。それよりも、泣かせてしまいましたね…。」

『…さっき、骸も泣いたから、おあいこな!』

「…恥ずかしいことを思い出させないで下さい…」




わざとらしく唇を曲げて見せれば、頬に跡を残し瞳を潤ませたまま顔を綻ばせ笑う君。

やっぱり、武には笑顔でいてほしいんです。


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