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□ワガママ
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ワガママ
最近、どうも彼の様子がおかしい。
何時もなら僕を見るなり直ぐに飛んできてくれたのに、(嘘じゃありませんよ)ここ最近は何故か上の空。
何故なんでしょう…。
「武、」
『……』
「武、聞いてますか?」
『…も、もちろん!今日はいい天気だなー!』
…僕に飽きてしまったんでしょうか…。
「どうしたんですか、最近」
『ど、うしたって、普通だぜ?』
「…もしかして、僕に飽きました…?」
自分で言っておいて、いけませんね…。僕にも涙が存在するなんて、驚きですよ。
『む、骸!?』
「ああ、すみません…」
『ううん。…違うんだ、ごめんな?』
その大きな瞳に映る僕の、なんて情けないこと!
武の腕が…ああ、暖かい。…これも無理、してるんでしょうか…。
『我慢、しようと思って』
「…我慢、ですか?」
『うん。』
どういうこと、なんでしょう…。
「何故我慢なんてしようと思ったんです?」
『…だって、骸はオレに会うたびに疲れるんだろ?』
…はい?
『からだ、作るの大変なんだろ?…だから、オレが我慢したら無理しなくても済むじゃんか』
ちょっと、待ってください。それは…
「僕に負担がかかるなんて思ったんですか…?」
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