Noizy Days!

□プロローグ
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 ――日本国、首都東京。
ここは高度な文明と様々な情報が日々集まり、進化していく場所。
常に人々は歩き回り、絶えず喋り続ける。
はたして、この中にどれほど自分を幸福だと思う者がいるのか――。


二階建ての洋館の屋根に、一人の少女が座っていた。
少女はレースのついた黒いヘッドドレスを着けて、長い黒髪を二つに結んでいる。
メイド服を着ているところからして、きっとこの洋館に仕えているのだろう。
「ノイズ〜?」

ふと後ろから声がして、ノイズと呼ばれた少女は振り返った。
ノイズを呼んだのは双子の姉であるイズィ。
彼女は癖のある白髪を腰のあたりまで伸ばし、それを風に揺らせながら駆けてきた。
「またこんなところでサボってぇ……。ご主人様にバレたら絞め殺されるよぉ?」

イズィが困ったような表情で恐ろしいことを言う。
彼女もまたヘッドドレスを着けて、メイド服を着ていた。
「それは困るわ」
ノイズはため息をつくと、面倒臭そうに立ち上がった。
「さ、行きましょ」
そしてイズィの手を取り、なんとそのまま屋根から地上へ飛び降りた。

二人は風を切り――どんどん落ちて――柔らかい芝生の庭へと着地した。
ノイズがイズィの手を離すと、彼女はすっと自分の白髪に手をやって乱れを直した。
「全くもう、ノイズったら……乱暴なんだからぁ!」
そして怒ったような、困ったような難しい表情をする。

すかさず、これでいいじゃない、とノイズが不満そうに言い返す。
「一番早いでしょ?それに、楽しいじゃない」
はぁ、とため息をつくイズィを残し、ノイズは鼻歌混じりに洋館へ入って行った。
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